編集者/アーティスト
イラストレーター
「あの人の、恋バナ。」レポート Vol.1
読むチョコレートブランド『Chocolate Library』が2月6日(木)から14日(金)まで渋谷パルコにバレンタインポップアップショップをオープンしました。その中で開催した、総勢16名の豪華クリエイターによるトークイベント「あの人の、恋バナ。〜クリエイティブなあの人の、想いの届け方を知る8日間〜」の様子をレポートします。第一回目は、編集者/アーティストの米原康正さんと、イラストレーターの雪下まゆさんです。
米原康正
編集者/アーティスト
東京ストリートな女子文化から影響を受けた作品多数。90年代以降の女子アンダーグランドカルチャーの扇動者。日本的なテーマをもとに中国でも活動し、現在中国のSNS微博のフォロワーは281万人。若いアーティストたちのキュレーション活動も精力的に行う。
雪下まゆ
イラストレーター
写実的でありながら、デフォルメやラフなタッチを残した個性的な画風で人気を集める。広告・音楽・ファッション業界などからの注目度も高く、クリープハイプのトレーラー映像、東京モード学園2019年版CMイラストなど、タイアップ作品も多く手がける。
近藤吉孝(司会・進行)
PRディレクター
アパレル、音楽、映画などのPR、SNSを担当。ケータリングや店舗・ブランドプロデュースなど活動は多岐にわたる。
アパレル、音楽、映画などのPR、SNSを担当。ケータリングや店舗・ブランドプロデュースなど活動は多岐にわたる。
バレンタインってなんだか知ってる?遡るとローマ時代の話なんです。もともとローマの2月14日は豊年を祈願する祭りの日で、女の人が自分の名前を書いたものを壺の中に入れて、それを男子が引くとカップルができるというイベントが行われてたんだって。そのまま結婚するケースも多かったんだけど、愛する人ができてしまうとローマの男たちが戦争に行かないから、その時のローマ帝国皇帝が兵士の結婚を禁止した。それを哀れに思ったキリスト教の司祭・バレンタインさんが影で結婚式をやって、バレて処刑されたのが2月14日。聖バレンタインを慕って、恋人の日になったんです。
へ〜!意外な起源ですね(笑)
日本では1932年にモロゾフが初めて“バレンタインデーにチョコを贈る”という提案をしたと言われてる。それから戦後65年に百貨店がバレンタインフェアをやってあまりうまくいかなかったんだけど、その後だんだんと小・中学生の間でブームになって現在に至るようです。
おふたりのクリエイションに「恋愛」は関わっていますか?
僕は写真を撮る時、作品では恋している雰囲気をいっぱい出さなきゃって思ってるんだけど、気持ちが本当に入っちゃうと全然面白くなくなっちゃうんだよ。だから基本的にはそこは冷めた感じで対象には恋愛感情を一切持たない。向こうがこっちをそうなってもらえるように仕掛けはしてるけど、逆にこっちは冷静に作品のことを考えてやってたりする。
恋愛をテーマにっていうのは無いんですけど、例えば部屋の中に女の子一人がいる状況を書くとしたら、この子絶対今恋人に写真を撮られている瞬間だろうなとか、もう一人その場にいるだろうなっていう空気感を描くのは好きですね。
知り合いのモデルの子で、一人の時はすっごい仕事するんだけど、彼氏がいると全然仕事に力入んないみたいな子もいるんだけど、雪下さんはその辺どうなの。
全然関係ないです(笑) 逆に彼氏を素材にさせてもらったりしますね。
僕は付き合ってる人とか、家族とか全然写真撮らないの。その時間もったいないから一緒に遊んでた方がいいなって思っちゃったり。だから遠い人の方が良かったりする。
クリエイションやお仕事で悩んでいる人に対するアドバイスを聞きたいです。
それはヨネさんですね。
クリエイティブは、やるしかないよね。アイデアをああだこうだ喋る人いるけど早くやれよって思う。お金があれば、とか、あの人と知り合えればこういうことできるんですけどって言う人いるけど、今できることやっとかないと。いつ来るかわからないことに対してってのは逃げの言葉でしかないと思う。
その通りでございます(笑) がんばります、精進します(笑)
片想いで悩んでいる人にもアドバイスをください!
片想いは、難しいよね。1971年に野口五郎が『私鉄沿線』っていう曲を歌ってるんだけど、その当時の女の子にすっごく受けたの。別れた彼女のことを今でも想ってて、昔は駅に「今日は帰ります」とか「何時にどこで待ち合わせします」とか書くボードがあって、そこに「君の帰りを待ってます」って。ストーカーの話だよ(笑)でもその時はキャーって言われてたわけよ(笑)
そうですね。押し付けるのは怖いですね。
でもそこから生まれるものもあるから、クリエイターなら作品にするチャンスだよね。届かない気持ちって作品にしやすい。そういう日常じゃないところから作品は生まれると思ってて。アートって基本的には普通の気持ちのものをそのまま出すんじゃなくて、何かを見て自分との違いを作品にしていくのが面白いんじゃないかなって思う。
人に迷惑かけないで、作品に昇華できるのはいいですね。昔は良かったことが今はダメってことも多いじゃないですか。それって難しいですよね。
今の価値観で昔のことを評価するのは難しいなって思ってて。昔のことを今やると良くないこともいっぱいあると分かったうえでやらなきゃなって。でもローマ時代から変わらないバレンタインの文化もあるんだけど(笑)
※本記事はトークイベントの内容を抜粋し書き起こしたものですが、文章としてわかりやすくするために編集を加えています。映像とは内容が一部異なりますので、ご了承ください。
『Chocolate Library』は「読むチョコレート」をコンセプトに、各業界のクリエイターが集まり立ち上げたスイーツブランド。日本を代表する農園の果実×チョコレート×ショートエッセイという異色の掛け合わせにより、心の頬が落ちる時間を提供します。
オフィシャルECサイト:
https://chocolibrary.theshop.jp
「あの人の、恋バナ。」
レポート Vol.1
米原康正 × 雪下まゆ
2020.2.7 FRI Special Talk Event