Editor
Takeshi Koh
Photographer
Kanna Takahashi

Discover Deep District

あの人だけが見つけられる、
特別な「エリア」

「住みたい街は?」と聞かれたら。
駅名で答えるのもいいけれど、
もう少しじっくり考えてみたら、新たな発見があるはずだ。
頭の中に地図を広げて、本当に好きなエリアだけを、指でなぞっていこう。
そうして生まれた独自の“District”には、
きっとあなたの価値観・世界観・人生観が詰まっている。
では、あの人だったら、どんなエリアの切り取り方をするんだろう。
今回は、アパレルブランド『LEBECCA boutique』総合ディレクター・赤澤えるさんに聞いてみた。

「住みたい街は?」と聞かれたら。

駅名で答えるのもいいけれど、もう少しじっくり考えてみたら、新たな発見があるはずだ。

頭の中に地図を広げて、本当に好きなエリアだけを、指でなぞっていこう。

そうして生まれた独自の“District”には、きっとあなたの価値観・世界観・人生観が詰まっている。

では、あの人だったら、どんなエリアの切り取り方をするんだろう。

今回は、アパレルブランド『LEBECCA boutique』総合ディレクター・赤澤えるさんに聞いてみた。

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赤澤えるさんのプロフィール写真

赤澤える

LEBECCA boutiqueブランド総合ディレクターをはじめ、ファッションやPRなど様々な分野でフリーランサーとしてマルチに活動。特にエシカルファッションに強い興味・関心を寄せ、自分なりの解釈を織り交ぜたアプローチを続けており、その執筆でも高い評価を得る。

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赤澤える

LEBECCA boutiqueブランド総合ディレクターをはじめ、ファッションやPRなど様々な分野でフリーランサーとしてマルチに活動。特にエシカルファッションに強い興味・関心を寄せ、自分なりの解釈を織り交ぜたアプローチを続けており、その執筆でも高い評価を得る。

赤澤えるさんがなぞった下北沢エリアのマップ 純喫茶トロワ・シャンブルの前にいる赤澤えるさんの写真 下北沢の「開かずの踏切」跡地に立つ赤澤えるさんの写真 ライブハウスSHELTERの前にいる赤澤えるさんの写真 劇場ザ・スズナリの前にいる赤澤えるさんの写真 カレー店マジックスパイスの前にいる赤澤えるさんの写真 涙を流した思い出の階段にいる赤澤えるさんの写真 ギャラリーカフェQUIET NOISE arts and breakの前にいる赤澤えるさんの写真

赤澤えるが「また住みたい」
秘密の下北沢&池ノ上エリア

「住みたい街は?」と質問して、赤澤えるさんがなぞったのは下北沢から池ノ上を結んだエリア一帯。

「住みたいというか…実はラフォーレ原宿に『LEBECCA boutique』を立ち上げた25歳の当時、実際に住み、日々を過ごしていたのがこのエリアです。下北沢はバンドマン、役者、アイドル、芸人など、様々な“夢追い人”が集まる街。当時の私もそのひとりで、業界は違えど、似た境遇の友人たちがたくさんできたことは、このエリアに住んで本当に良かったと感じることのひとつです」

「当時の“夢追い仲間”たちも、時が経ち今では当時よりもさらに有名になったりしていますが、変わらず下北沢で集合していますね。人目を避けてこっそり集まりたいときに一番使うのが、純喫茶『トロワ・シャンブル』。タバコを吸ってることがバレちゃいけないタレントさんを半個室の奥の方に座らせたり(笑)。こういった“隠れ場所”が多いことも下北沢の魅力ですよね」

「また、下北沢は古着の街。服を捨てずにリサイクルする素晴らしさを幅広い層に自然と感じさせている、エシカルファッション的な視点でも価値の高い街だと思います。私の『LEBECCA boutique』も扱っている商品の7割は古着。3割のオリジナルアイテムについては、ひとつひとつに『自分を認めるワンピース』『きちんと伝えるジャケット』などの名前をつけることで、服に愛着を持っていただく工夫をしています。『載せたら終わり』の時代に、載せても終わらない服を。私の店は原宿にありますが、そんな想いで仕事をしています」

「そして下北沢は私にとって「どん底時代を思い出す街」でもあります(笑)。当時はブランドを立ち上げたばかりで、新しいミッションが次々出現するのに何をしていいか分からない、スタッフが辞める、ネットで文句を書かれる…と、心身ともにボロボロな状態でした。毎晩下北沢の居酒屋でお酒を飲んで、帰り道に一人で泣きじゃくっていましたね。」

よく座り込んで泣いた思い出の階段にいる赤澤えるさんの写真

よく座り込んで泣いた思い出の階段にいる赤澤えるさんの写真

「物理的な位置関係として、下北沢から坂を上ると池ノ上なのですが、当時の私にとって、下北沢はまさに“池の中”というか、深さのある水の中といった感じでした。夢追い人たちが集まる中でいつ自分が輝けるか分からない、水中のように息苦しい気持ちになる場所でした。逆に、私の家があった池ノ上は、そんな池から上がった先にある避難場所。下北沢からの帰り道、酔っ払って泣きながら坂を上って静かなエリアに入っていくうちに、だんだんとグズグズした気持ちが乾いていく感覚がありました」

雨が降っている下北沢あずま通りを遠目に写した風景写真

雨が降っている下北沢あずま通りを遠目に写した風景写真

あの頃の私には、どん底を味わわせてくれる下北沢という街が絶対に必要だったし、その気持ちを切り替えさせてくれる池ノ上に向かう道も絶対に必要でした。『もう卒業した』と思ってはいるのですが、いつかまた、今回SUUMO「なぞって検索」でなぞったこのエリアで住んだり泣いたりしてみたい、と心のどこかで望んでいる自分もいる気がします」

そう言って笑った赤澤さんは、雨の降る下北沢の街の中に颯爽と消えていった。

さて、あなたなら、どこをなぞる?

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